2011年6月3日金曜日

恐怖は最大の動機~荷物検査におびえる子ども~ 

坊主の女の子もかわいいと思えるようになりました。
20か月ほどセネガルに住んでるといろんな変化があるもんです、


kojiです。

一昨日の夜中、早くも雨が降りました。
そう、雨季の到来です。

8か月ほど雨に飢えていた大地に再び恵みの雨。







これっぽっちも嬉しくありません。


理由1、湿気が多くなり不快度指数は乾季のそれよりも高くなる。汗かくし、セネガル人は体臭に磨きがかかる。

理由2、僕の住んでる地区は水たまりがたくさんできる。ど雨季は置き石の上を歩くはめに。足が長く、身体能力の高いセネガル人に合わせて石が置いてあるので、跳躍力が問われます。水たまりの水は茶色から黄色に近い緑色までさまざま。匂いも絶品。吐き気を催します。そんじゃそこらのアスレチックよりスリル満点。下手したら破傷風。意気込みが違います。



でも、

雨が降った直後は独特の匂いがして、去年の雨季のことを思い出してしみじみしておりました。


なーんて。



さて、「荷物検査におびえる子ども」について書きます。

うる覚えだなー。笑




そう、2週間ほど前の幼稚園にて。


図工をしているときのこと。



お絵かきをしてるとき、「先生見てみてー」と子どもたちはひっきりなしに自分の作品を見せたがる。


褒められるという経験があまりないからなのかな。


ここぞとばかりに褒めます。



そして授業が終わってクレヨンや紙を回収し片づけをしてると、


のりのキャップがない。





色を塗ることがメインで、のりをちょこっと使うだけの工作だったので、自前のスティックのりを持っていきました。


先生に聞いても

「見てない」と。




キャップ盗む子どもはさすがにいないだろうからどこかにあるだろうと、子どもを総動員して捜させます。


でも見つからない。


まあいっかー、と思ってた矢先。


先生が声を荒げて子どもを並ばせ始めました。おやつの時間でしたが関係ないといった様子。



で、1人1人カバンの中身とポケットの中身チェックが始まりました。



うそーーー!!こんなこと初めてでこっちがびっくり。


こどもはちょービビってます。今までにないくらい先生が怒ってたしね。



無事チェックをパスした子どもも、そのまま横に並ばせます。連帯責任ということか?



それでも見つからない。


もし見つかってたらその子はどんな仕打ちを受けるかしれないので、見つからなくってよかった気もしますが。


そのあとも、先生、家政婦、子どもみんなで探しました。


必死になって大きな机を動かして探してる女の子たち。

誰が最後にキャップを見たか聞き込みをしている先生。

もの置きまで探しに行ってる家政婦さん。






たかだかキャップだし、のりもあと少ししかない。


もういいじゃんと思ってしまう俺。


必死に探してるみんなを見て、本当に勉強させられました。


曲がりなりにも教育に携わってる者として、自分の思慮の足りなさに恥ずかしくなりました。




でも、どうしてそこまで頑張れるんだ?




みんなをそこまで動かしたのは、


①教材が慢性的に不足している環境


3園行ってますが、この幼稚園が飛びぬけてものがない。

クレヨンや紙はあるわけない。

小さいプラスチックの椅子に座り、大きい椅子を机にしてお絵かきする。

今年できたばかりなので、これから環境が整っていくことを期待するばかり。



②なんと言っても恐怖心

先生の怒鳴り方が半端なかった。普段は温厚で、体罰もないだけに、その効果は絶大。


子どもを統制するために、体罰を加える先生は少なからずいます。

手っ取り早く子どもを手なずけるにはそれが一番早い。


それじゃ子どもには恐怖心しか残らないし、決してそれがいいとは思いませんが。





多くの心理学者が「恐怖」こそが人間の言動を決定する、根本的な最大の動機だと考えているらしい。


結局は本能的な欲求が勝るということか。




今日のオヤスミ
♪Sunrise
Norah Jones


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